不動産名義変更(明治時代の抵当権有りパターン)

高崎市内U様

ご依頼内容

「使用してない土地がある。固定資産税だけ支払いを続けるのも馬鹿馬鹿しい。知人が欲しいと言っているので売却したいが、不動産の名義が父のままである。また、明治時代の抵当権が付いている。何とかして欲しい。」
 
不動産を売却するに辺り、相続人への名義変更登記と抵当権の抹消登記が必要です。抵当権が付いたままでも売却や贈与をすることは可能ですが、大抵の場合は抵当権を抹消してからです。

KTG高崎司法書士事務所で行った手続きの流れ

  • 1.相続登記のために必要書類の収集・作成(必要書類はページ下部に記載。)同時進行で明治時代の抵当権抹消の準備も進めていきます。まずは抵当権設定当時の情報を得るため、管轄法務局に対して土地の閉鎖謄本を取得請求します。今回の土地は高崎市でしたので高崎の法務局に請求しました。※閉鎖謄本とは簡単に言ってしまえば、不動産の昔の情報が記録されている登記簿謄本です。
  • 2.閉鎖謄本が届いたら、そこに書いてある情報を元に今現在支払うべき金額を計算します。明治時代からの利息や遅延損害金を全て支払うことになりますが、当時の債権額は100円程度が普通でした。そうすると利息や遅延損害金を100年分合わせても5000円にも満たない額になります。
  • 3.金額の計算が出来たら債権者に対して借りたお金を弁済したい旨を郵送で伝える。
  • 4.郵便が戻ってきてしまったので供託手続きに入る。※債権者に弁済が出来なければ永遠に抵当権が消せないままになってしまうのでしょうか?債権者が見つかない場合などは供託という制度が用意されています。これも簡単に表現させて頂くと『債権者が見つからない時は供託所にお金を払えば債務は無しにするよ』という制度です。
  • 5.供託書の作成。供託所に供託内容の事前確認。
  • 6.確認には2週間程度の時間がかかる場合もあるので、その間に相続登記と贈与による名義変更登記の準備も進める。
  • 7.遺産分割協議書や登記委任状、供託委任状や贈与契約書など必要書類の作成、確認。
  • 8.上記書類にご署名・ご捺印を頂く。印鑑証明書の取得もお願いしました。
  • 9.今回の最大の目的は土地の贈与でしたので、土地の受贈者(貰う方)にもこの時点で一度お会いさせていただき、手続きの流れの説明と必要書類へのご署名・ご捺印、住民票の取得をお願いしました。
  • 10.法務局から供託内容のOKが出て供託。
  • 11.供託手続きが終了したら、相続登記、抵当権抹消登記、贈与による所有権移転登記の申請。
  • 12.登記完了。法務局で書類の受け取り。
  • 13.ご依頼者の方に書類をお渡ししてご確認いただき手続き終了。

相続登記のための必要書類の収集

相続による不動産の名義変更登記をする場合に法務局に提出する書類は基本的には以下の通りです。
  • 相続関係説明図
  • 被相続人(亡くなられた方)が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本全て
  • 被相続人の住民票の除票
  • 相続人の方全員の現在の戸籍謄本
  • 相続人の方全員の印鑑証明書
  • 遺産分割協議書(実印で押印)
  • 不動産の名義人になる方の住民票
  • 名義変更をする不動産の固定資産税評価証明書